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2010年5月26日 (水)

バラの虫除けで考える

バラは、ほかの植物よりもはるかに虫や病気に弱い植物。バラの栽培本などを見ていると、消毒薬や殺虫剤の散布などの話は欠かせませんね。休眠期に石灰硫黄混合剤の高濃度散布をするとか、虫の発生時期に合わせて殺虫剤をまくとか・・・・・。コガネムシや夜盗虫などの地中にいる芋虫系の虫にはダイアノジンをまくだの・・・・・・ダイアノジンって劇物指定の物質ですよ?曝露されれば人間にもバッチリ害が出るんですけど(汗)。

かく言うかえるも、今年はバラの数を増やしてしまったために、いろいろとやってみているのですけどね。日本の農薬にはまだ手を出していません。根頭癌腫病はどうにもなりませんが、黒点病などの病気は環境を整えてやればほぼ防ぐことができるので、かえるのバラにとっての問題は、目下、葉や根を食べる虫対策だったりします。

まず、バラの主だった害虫を上げてみましょう。

1. チュウレンジバチ

親虫は原始的な蜂で、背や羽は黒くおなかがオレンジ色をして、刺すための針を持たないのが特徴。細長い体をしていて、一見蜂とは違う昆虫に見える。当然のことながら、羽虫なので親は飛来するため、産卵中か産卵しようとして飛んできて動きの鈍くなった親を補殺するのが最も効果的。

バラの茎に産卵管を刺して産卵し、幼虫が葉を食害する。結構な大食漢で放置するとあっという間に丸坊主にされてしまう。

2. コガネムシの幼虫

俗称「ネキリムシ」。この俗称で呼ばれる虫は各種あるが、コガネムシの幼虫が一番ポピュラーかも。いわゆる、「イモムシ」系の姿をしていて、成虫(コガネムシ等)が地中に産卵することで発生。

被害としては、地下で育っている根っこを食べてしまう。根を食害するため当然のことながら、地上部も衰弱する。対処が遅れると枯死することも。

3. アブラムシ

どこにでもいますね。一度は見たことがあるのではないでしょうか。アリとの共生関係にあるあれです。成虫はあまり知られていないようだが羽虫なので飛来する。雌雄がそろわなくても子孫を残すことができる単為生殖を行うため、恐ろしい勢いで増えていく。大きさは米粒よりも小さいくらいだが、うじゃっと固まっていることが多い。天敵はテントウムシの幼虫で、テントウムシの幼虫はこのアブラムシが大好物。かえるは、1匹見つけたら100匹いると思っている。

葉を食害するわけではないが、樹液を吸う。体は小さく、1匹当たりの量は大したことはないが、集団で固まっているため、放置すると葉がボロボロになり株が衰弱する。

4. ゾウムシ

米粒ほどの大きさの甲虫。頭の先に長く伸びた器官があり、何となくゾウのシルエットに似た感じ。

花首に産卵して蕾をだめにしてしまう。

5. ハダニ

乾燥季によく出没する。見かけは白い粉のように見える。

アブラムシ同様、樹液を吸い、株を衰弱させる。水気を嫌うため、シリンジして葉水を与えるのが効果的。

6. ゴマダラカミキリ

現在のかえるの家では見かけませんが、昔、捕まえて遊んだことがあります。触角が長く、黒い体に白い斑点があるあれです。顎が丈夫でうっかり顔の前に指など出そうものなら大変なことになる奴ですね。けっこうごっつい体をしているあれです。

成虫が幹に穴をあけてそこに産卵し、幼虫が育ちます。幹に穴をあけられるため、当然ながら、株は衰弱、悪くすると枯死。

といったところでしょうか。

ちなみに、かえるは1、2、3、4にはお目にかかったことがありますが、5、6にはお目にかかったことがありません。ほかにもいろいろいますが、手を焼くのはこのくらいでしょうか。

かえるは基本的に鉢栽培なので、一番てこずるのがチュウレンジバチの駆除。これは数が多く、産卵した場所から幼虫が出てくる際に茎を痛めるというおまけつきです。親虫を駆除するか、まだ集団になっている時期に一網打尽にしています。それを過ぎると葉裏を丁寧に探して補殺しています。コガネムシの幼虫は鉢にマルチをして産卵を防ぎ、アブラムシは10倍希釈の牛乳を散布すると同時に手で補殺。

今年は新苗を2株迎えたため、若いこれらを無事に育てたいということでいろいろ試してみたわけです。

日本では、昔から除虫菊を利用した蚊取り線香が虫とりとして使われていますが、これは虫よけというよりも「蚊取り線香」という名前が語るとおり殺虫剤の一種ですね。これを嫌って逃げていくということもあるかもしれませんけど。

現在では虫よけの効果がある植物として、ラベンダー、サントリナ、レモンユーカリ、シトロネラ、ローズマリーなどが知られています。「農薬不使用」「天然由来」などとうたっているものは、おもにこれらの持っている成分を使用したものであることが多いのです。

その代表的なものが

ゲラニオール : バラ、ゼラニウム、ジャスミン

テルピネオール : カモミール、ラベンダー

シトロネラール : シトロネラ

シトロネロール : レモンユーカリ、シトロネラ

というところですね。アロマテラピーを勉強したことがある方なら一度は耳にするほどメジャーな物質です。ここにはあげませんでしたが、ローズマリーの芳香成分の一つである樟脳にも虫よけ効果があるといわれています。この樟脳はヒノキなどの香りにも含まれていますね。ところで、ここではバラの虫よけということが主な問題なので、それに話を戻します。

*まず、市販の防虫剤(?)から。

試しに使ってみているキンチョーの「虫コナーズ」ですが、やはり問答無用で昆虫全般に対して効果を発揮しているようです。家庭用品品質表示法の定めに従って表示されているところをみると、アスピロイドを使用していて、対象はユスリカやチョウバエということになっていますが、めっきりそのほかの昆虫類が姿を見せなくなりました。バラの被害も減っていますが、こうなると困ってしまいます。チョウやミツバチなども来ないのですから、いろいろと差しさわりが出てきます。たとえば、虫媒花の受粉。彼らがいなくなると、かえるのブルーベリーの結果率は格段に悪くなるわけです。

殺虫成分を含むこれらは確かに効果があるようですが、益虫までも駆除してしまう難点があります。化学物質には、狙った虫だけを退治するというピンポイントかつ強力な選択性はないわけです。

*いわゆる天然成分の虫よけの場合。

試しに使ってみているニームオイル。ニームオイルとは、インド栴檀からとった植物性の油です。日本の栴檀とは別物です。念のため。水やりの時に指定倍率に希釈して与えていますが(葉面散布ではない)、これはどうやら効果がある模様で、幼虫の数が不自然なほど減っています。よく調べてみれば、これは昆虫のある種のホルモンの阻害を行い、脱皮を不可能にしたり、食欲を抑えたりすることで駆除するもの。吸収して効果が出るということは浸透移行性があるということでしょうか。親の飛来を防ぐという意味ではあまり変わらないかもしれません。これ、海外では農薬指定されている国もあるので、取り扱いには注意した方がいいでしょう。これは現在使用しているボトルがなくなり次第、使用をやめる予定です。

私のバラは芽衣、夢乙女以外はオールドローズで芳香種。前出の虫よけ効果のあるといわれるゲラニオールがバラの香りを構成する成分の中に含まれています。それにもかかわらずチュウレンジバチの被害が出ていることから、これは効果なしと思っていいでしょう。シトロネラール、シトロネロールに関しては、昨年の夏にこれらを含む精油を使用して虫よけスプレーを作って効果を試しました。夕方の水やりの時に自分にこのスプレーを使って蚊から身を守れるか?というものですが、結果は惨敗。ほかの虫も全く変化がなく、50ml使い終わった時点で終了した覚えがあります(人間の肌に使用する虫よけスプレーで、ディートが使われているものは要注意)。蚊が人間の出す二酸化炭素や乳酸を感知しているせいかもしれませんが、ラベンダーの精油を使うと、どういう訳か蜂が寄ってきてしまいます。

たとえ、精油に虫よけ効果があっても、常に揮発していなければならず、雨風にさらされる屋外ではなかなか難しいでしょう。香りを感じているということは、その精油が相当量揮発しているということで、人によってはアレルギーを起こすこともあるわけです。

そういえば、バラの植木鉢と交互に置いているローズマリーの枝が接しているところには、あまり被害が出ていない(全くないという訳ではない)ので、これがせめてもの慰めといえば慰めです。天然といえば聞こえは良いですが、結局、化学物質であることには違いなく、植物が自分で作り出したものなのか、人間が人工合成したものかの違いでしかありません。

*結論として。

長々と書いてきましたが、結局のところ、ローズマリーやアルテミシア属のワームウッド、サザンウッド(サザンウッドは、書物によってはバラを害虫から守るコンパニオンプランツとして最適とある。しかしながら、かえるはこのサザンウッドの苗を見たことがない。)などに代表されるコンパニオンプランツの力を借りつつ、手間はかかるけれども手で補殺するのが最も良いような気がします。見た目も良いですし。

忌避剤もしくは殺虫剤を散布することによって虫食いのないきれいな姿を見る代わりに自分がそれに曝露されるリスクを負うか、多少虫食いがあって手で補殺して「うわ~(泣)」と思っても自分に害のないようにするか、結局はどちらを選ぶかということです。ちなみに、かえるは後者を選びます。

しかし、バラの隣に置いているかえるのローズマリーですが、丈夫で手間いらずでいいですね。夏以外は小さな青い花をたくさんつけてくれ、乾燥にも強く良い香りがします。青い花というのがかなり貴重です。1年に1回緩効性肥料を与えて春の花が終わったら伸びすぎた部分を切る程度でほとんど放任。あれこれ手を入れるよりも、むしろ放任気味の方がよく育つ感じがします。

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コメント

ユーカリオイルのベースオイルは何だろう?

バラ栽培に用いる駆虫用?のユーカリオイルに関するご質問を差し上げます。
知人が4000リットル入手しました。
数年前にとある業者がバラ栽培を目的としてオーストラリアから輸入したものだそうです。INVOICE には、100% pure Eucalyptus oil と書いてあります。

ユーカリオイルの匂いはプンプンしますが、基材はサラダオイルっぽくベタベタいています。
入手した知人はバラ栽培とは無縁で、何か別の用途を考えたいと僕宛に相談が持ち込まれました。
調べるとユーカリオイルはアルコールのように揮発性が高いとのこと。
では基材(ベースオイル)を類推して、別の用途を検討してみようと考えました。

しかし、以下の施設に相談しても「知らない」とニベもない回答。
・ユーカリオイル専門店
・園芸店
・ホームセンター園芸コーナー
・生花店
・フラワーパーク(バラ専門の大規模園芸施設)
・実験植物園
・実験植物園に出入りする園芸業者

バラ栽培に用いるユーカリオイルの、ベースオイルとして何が使われていると予測されるか?
それを知る手立てを探しております。些細な事でも結構です。
思い当たることがあればご教授頂きたく、ご連絡申し上げます。
突然のご質問をさし上げて恐縮いたしますが、返信いただけましたら幸いです。

投稿: 山口しゅうほう | 2016年6月 3日 (金) 12時58分

こんばんは。
お尋ねの件ですが、残念ながらかえるもよくわかりません。限られた情報で類推するのは危険なことですが。
100% pure Eucalyptus oil と表示されているとのことですが、それを信じるなればユーカリオイルのみでキャリアオイルとブレンドされていないと考えられるでしょう。もう一度表示をよくお読みになってくださいね。
ただ、数年前に輸入されたものとのこと。オイルは当然劣化していきます。保存状態にもよるでしょうけども、酸化している可能性も捨てきれないかと。
ただ、油ですから、同じ油類で希釈するとは限らないのではないでしょうか。油はアルコール類には任意の割合で溶けることが多いです。(消毒用エタノールにアロマテラピーに使う精油が溶けるように。)

あてにならないお返事で申し訳ありません。そして、再利用されるにしても、アロマテラピーなどで使うことはやめた方がよいでしょう。

ただ、お尋ねの件以外で、4000リットルもの量をお知り合いがご購入とのこと。植物性の油といえども、消防法上の危険物(第4類)に該当します。MSDSも存在する物質ですから、くれぐれも取り扱いにはご注意ください。

投稿: かえる@管理人 | 2016年6月 3日 (金) 21時20分

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