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2008年1月17日 (木)

SSRIとカフェインその2

さて、基本的に、人体に入った様々な物質は、肝臓の能力によって分解されます。そのときに働くのが酵素です。カフェインの代謝に使われるのは「CYP1A2」と呼ばれる酵素です。

これがポイントです。

現在、SSRIの系統は、多くの場合鬱病やパニック障害などの治療薬として使われており、そのうちのパキシル(グラクソスミスクライン)はその際の第一選択薬となっています。一昨年の七夕の日に、日本で承認されたジェイゾロフト(ファイザー)もSSRIに分類される抗うつ薬です。これらはかなり薬価も高いです。まだ特許が残っているために後発医薬品に切り替えるということもできません。

これらの薬について詳しく知りたい場合は各自で添付文書やインタビューフォームを入手して読んでみましょう。

これらの薬は、肝臓にあるいくつかの代謝酵素によって分解され、血中濃度が下がっていきます。ところが、その際に活性が阻害される酵素もあります。CYP1A2もその一つです。一般に、塩酸パロキセチン(パキシルの一般名称)よりもセルトラリン(ゾロフト、ジェイゾロフトの一般名称)の方が、この酵素(CYP)の活性阻害能力が低いと言われています。

ファイザーのホームページから一部引用すると、CYPに対する阻害定数(Ki, μmol/L)は、特にCYP1A2に対する場合、

セルトラリン 8.8~70

パロキセチン 5.5

となっています。数値が大きいほど阻害する能力は低いということになります。

代謝に必要な酵素の活性が阻害されるということは、阻害されていないときに比べて「ある物質を取り込んだとき、それが分解されて、全てが別の物質になるまで時間がかかる」ということになります。その結果、取り込み続けると排出量が追いつかずに血中濃度が上がり、普段でない副作用が出るということになるわけです。

毒と薬は同じもの。人間に都合がよい作用が大きいかそうでないかの違いです。腐敗と発酵の関係に似ています。故に副作用のない薬など存在しません。カフェインについても、摂取しすぎると(血中濃度が上がりすぎると)、普段起こらないような頭痛などの「副作用」が現れます。
上記のような理由により、SSRIを服用している場合、カフェインとの相性は悪いといってもいいでしょう。代謝酵素の働きが阻害されているため、服用していない場合に比べて、カフェインが数時間長く体内に留まってしまい、気づかずに採り続けた場合は血中濃度が上昇します。その結果、SSRIの副作用ではなくカフェインの副作用が起こるわけです。

こうなってしまえば、カフェインが肝臓で分解され、体内から減っていくまで待つしかないでしょう。自分の限界を知った上でカフェインを含む食品などを飲み食いする量をコントロールしてつきあっていく、ということも選択肢としては有りだと思いますが、個人的には断薬が完了してから、影響を気にせずに飲み食いした方が安全であるし美味しいと考えています。

カフェインについては、SSRIを服用する際に一言注意をするか、SSRIの添付文書にカフェインの副作用が起きうることを書いていただきたいのが私の本音です。

SSRI(わたしはパキシルの断薬しか経験はありません。)は減量することも難しい薬(薬を減らした際に現れる「離脱症状」がかなり辛く、患者には大きな負担となる。)である以上、うまくつきあうしかないのですが、もう少し、患者に対して配慮が欲しいですね。減薬用にもっと容量の少ない錠剤も作ってくれ!

まあ、カフェインは摂取しなくても、摂らなかったために死ぬような物質ではありませんから、我慢しろということなのでしょうか?しかし、働いていると、解熱鎮痛剤でカフェインが入っていないものは、入っているものよりも効果が緩慢かつなかなか効果が出てこないので困ることが多いのですが・・・・・(泣)。

結論 故にSSRIとカフェインは非常に相性が悪い。

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